ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

血液型性格判断

 血液型性格判断とか男脳・女脳とかの本が本棚にある人とはともだちになれないってずっと言ってる。「ただの遊びじゃん」「趣味の違いくらいだれにだってあるでしょ」ってもうひとりのぼくに促されて、亀裂を埋めようと試みたこともあるけれど、不毛な努力だった。

 私は上に挙げたような書籍の数々を「ただの遊び」とは呼ばない。そこでおこなわれているのは、遊びなどではなく、統計の方法を無視した恣意的な操作であり、ステレオタイプの強化と偏見の助長にほかならない。

 それを承知の上で、「記述を完全に信用しているわけではないから」といって愛読する人とは、ともだちになれない。それは<科学や、事実や、生身の人間の個別具体的な人格より、わかりやすさやおもしろさを優先する>という態度の表明だから。

 あるいは、読者の大半は「そこまで考えていない」だけかもしれない。それはそれで、やっぱりともだちになれない。考えるのがそこまで好きじゃない人と、話したいことってとくにない。

 疑似科学と距離を置こうとするのは、<疑似科学がみずからの存在をおびやかす>という直観がはたらくためだ(なにかの間違いで傾きかけたあかつきには、私を殴ってほしい)。疑似科学とは、知的に誠実であろうとつとめる姿勢の価値を否定しにかかるものだ。見聞きするたび、不愉快で不可解で、底知れぬ不安に駆られる。

 愛読書はときに、たんなる趣味嗜好の域を超えて、信仰の対象を如実にあらわす。だから血液型(略)が本棚にある人と友人関係は築けない。私が生涯かけて取り組みたいことをその人はどうでもよろしいと感じているし、反対に、その人のだいじにあたためるものを私は切り捨てたがるということは明白だ。