ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

転職活動ふたたび

 転職を決意するまでに、二ヶ月ともたなかった。試用期間内である。この堪え性のなさは、昨年ひとつめの会社を半年あまりでぬけだしたときとまったく変わらない。ただし、今回ばかりは事情がことなる。私は転職の意思をすでにちらつかせているが、だれも驚かない。ほかの従業員の大半も、同じ思いを抱えながら、いまのところは留まっているらしい。先週あたりまで、私が転職を希望する理由は「モダンな開発がしたいから」であったが、そこに「死にたくないから」が上乗せされた。

 勤務先は、首都圏でも有数の大都市に本社を構えるIT企業だ。リモートワークは可能であるし、不都合が生じればこれを機に環境を整えてしかるべきというのが従業員の総意である。しかし代表は「お客様のために」と出社を命ずる。そこに論理性はない。お客様を思いやる代表の口から、私たち従業員の生活と生命を案ずることばを聞いたことさえ、ただのいちどもない。「仕事を休まずがんばるお客様」とて、補償と休業を切望しているのではないか? お客様の信頼を勝ち得るのは、がむしゃらに骨を折って危険をまきちらす私たちではなく、安全を優先してオフィスを空ける企業ではないのか?

 仕事はおもしろい。先輩方の面倒見に救われ、学んでいる。さりとてそれはここを去らない理由たりえない。