男女でことなる、不安定なときの対処法。女性相手には、意見や解決策を述べず、とにかく話を聞くこと。男性は、おっぱいにうずめてあげること。このような内容の漫画がツイッターに公表され、四万を超える「いいね」を集めている。原作者はなんと医師だった。
そのなにもかもが私を辟易させる。最愛の宇宙人に「逆に、私がぜんぶに『女の子だもん』をつけたら、これがおかしいってわかるかな」と言うと、「そういうことだよね」とすぐに返ってきた。たとえば、こうだ。私は話すより聞くほうを好む、忌憚のない意見を求める、おっぱいにうずもれたい。なぜなら女だから。でたらめにはでたらめをもって掻きまわせば、この穴だらけの規範を転覆できるだろうか。だめだろう。きっと読みとられない。あたまをつかわずにすませるのが、みたところ主流の処世術らしいから。
私は読者の知性と想像力を信頼して、毒にも薬にもならぬものを書く。ゆえに、のみこみやすくて、おもしろおかしい作文には走らない。共感と借用の対象、平易で断定的な語句の羅列。そんなふうに狙いすましたものは、書かずにいられなくて書く私が書くべきではない。読み回され褒めそやされるために筆をとるものたち(これは空集合かもしれない)に任せたらよろしい。