2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧
南の窓際に置かれたソファで仰向けになり、干したての布団と同じ温度の毛むくじゃらを腹にのせてこれを書いている。キジトラ猫のデルフィーヌである。実家には二匹の保護猫を迎えたばかりだ。もう一匹は、三毛のロレーン。ロレーンとデルフィーヌというのは…
高校時代からつきあいのつづいている友人と、きのうは半年以上ぶりに会った。彼女のほうから新年のあいさつをくれたのがきっかけだ。それまで、彼女は私の体調を慮り、また私のほうでは彼女が慣れない仕事のために多忙をきわめていると思い、連絡を控えてい…
私と交際相手とは、いわゆるサプライズを苦手とする。想定外の事態、大きな音や光、人混み、喜びや驚きを瞬発的かつ明示的に出力すること……私たちの不得手とする数々の要件から、サプライズは成っているのだ。互いにそれは知りつくしているから、ふたりのあ…
病状は一進一退、されどゆるやかに快方へ向かっている。年末あたりから、ようやくそのような実感をもちはじめ、からだはあいかわらず操縦しづらいものの、こころもちは安定している。むろん、転職活動がはかどらないことに対する焦りはたえずつきまとうし、…
今年、十二支の三周目に突入する「もういい歳」の私がいまさら家族を悪しざまに言うのは、逆説的ながら、そのことに罪の意識を感じるためでもある。「出てゆきたい」と口にするとき、棘をまきちらしているという不愉快な自覚がある。これは不健康な状態では…
男女の友情は成立しうるか──この問いに「はい」と答えねば私は友人を失う。「男女の」は「恋愛対象となりうる性別間における」の粗末な翻訳、短縮表現であろう。バイセクシャルの私は男とも女とも友情を築けない、というのは奇妙な話だ。 ただし、人間を男/…
一年のうちでいちばん好きな時期は年の瀬で、年の瀬を破りにおとずれる年明けがいちばんきらいだ、とずっと思っていた。ところが、二〇二〇年はそうでもないな、と感じてこれを書いている。きのうも妹と「年末年始感ないね」と言いあった。私たちはもう、両…