2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧
昨晩、ツイッターのトレンドに「負の性欲」という文字列を見つけ、いやな予感を携えながらその意味するところを確かめにかかった。私が解釈するかぎり「男性による性加害に対する女性の拒絶」をさすらしい。 この欺瞞に満ちた名づけには、しんから寒々とする…
医師のいう「軽度の抑うつ状態」を経験してから、存在の不透明度が下がった、とでもいうべきこころもちがする。死をいくぶん身近に感じる。べつに、生命維持の機能をみずから停止させようとこころみたわけではない。いまもそれを望んではいない。私はただ、…
つぎに会うときは無職だよ、とへらへらして告げた私に、恋人は「そっか。これからいっしょに就活だね」とだけ答えた。つねに過不足なく、少なくてゆたかなことばをもって、私を抱き止める人である。むろん、劣悪な労働環境や、重篤な疾病を理由とする失業で…
今月某日をもって退職する。この期日については、経歴に休職期間が含まれないよう人事部が取り計らってくれた。私の体調を気遣うことばを最後に、通話は終了した。ほんとうによい会社だと思う。 郵送する退職願は書き上がったが、添え状を作成する気は起こら…
脚のあいだが赤くただれ、シャワーの湯がしみて顔をゆがめるほど痛痒くなるという症状に見舞われ、産婦人科をたずねた。受診をいやがりつつもためらわないのは、私のもつ稀なる美点といえよう。医師は「カンジダ膣炎ですね」と説明し、問診票に書かれた抗生…
秋になってしきりに買い物をする。高くついた、と悔やまれるのは瓶入りの漢方薬だ。いちばん小さいのを選んだら、飲みきるまでに副鼻腔炎が完治せず、けっきょく買い足すことになった。ところで、診断書と銀歯は、買い物に含まれるだろうか。とかく、ここま…