2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧
ほんとうに好きなら無理をしても会いに来るはず、と責められた経験はないのですが、そう言われたなら、ではあなたのことがほんとうに好きではなかったのだと謝るほかありません。なにによって愛を確かめるかということについて、一般的な原則めいたものをふ…
「贅沢な悩み」なるものが存在するとして、贅沢であるか否かの判断を下してよいのは、悩みを抱える当人ただひとりです。人は人のこころに立ち入れません。「そんなことで別れるのか」「そんなことを気にするのか」などと言ってはなりません。「そんなこと」…
私は性根がむっつりしていますから、秘密をかたく守る人を愛し、占有したがります。ここに残してゆく日記らしきものは、再読すればかならず覚える羞恥に耐えうるよう、まろやかに調理した上澄みにほかなりません。砂抜きも加熱も済んでいます。悪くはない口…
なぜここにおっぱいがあるのか、ふとわからなくなって、疲れて、狭い浴槽でひとり眠りこけた経験のある人はほかにそれほどいないでしょうから、こんな冒頭からいずれ小説を書こうとあたためてあります。私は自分の身体をおおむね肯定し、甘やかすのですが、…
たとえば持久走の授業から、好まざる飲み会から、反故の堆積した部屋から、逃れたいのならそれは物理的に可能でありますが、どこへゆこうと私は私についてきます。どうしようもなく自身をもてあますときの、適切な処方とはなんでしょう。 人ぎらい、ある種の…
ばらばらにしてください。私が私としてふるまい、ことばを発したところで、「さすが早大生」「A型でしょ」「やっぱり女の子だね」とあると、返答に窮します。また、他人のすることを気にせずにおけないときは、えてして同じ濁り水にみずからも浸かっている…
クレイジーケンバンドをよく聴きます。「男と女のKung fu Fighting」などとごきげんに歌うおじさんたちですから、「男/女の二分法から私は逃れたいのではなかったのか」と、愛聴する自分をふしぎにも思うのですが、ちょっとわかったりちっともわからなかっ…