ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

2017-12-01から1ヶ月間の記事一覧

暮れの記

なにもない一年でした。レッド・ホット・チリ・ペッパーズのためだけに、ひとり夏の雪国をめざしたのは昨年のことです。通学定期をはじめて手にしたのは一昨年です。今年はめずらしくどこにも行かないで、同じ改札や街並みを飽かず眺めました。変わらない景…

ここでは間違えて

「間違っていても伝わればいいじゃないですか!」と、素朴かつあまりに切実な問いを、生徒は投げかけてくれます。文法と敬語を学ぶ意味がわからなかったそうです。そうだなあ、伝えるためにはなるべく間違えないことなんだよね。相手がことばの礼儀を重んじ…

抱かれるなど

「抱きしめてもらえるマシュマロ肌」になりたくて求めるのではないのだ、とげんなりしつつ、それなしには越冬できないので、今月もニベアを買い足しました。なんだか「もらえる」のところがいやです。条件つきで抱きしめられるのも、抱きしめられるためにお…

先生

このごろは、見る人さえなければぼろぼろ泣くようになりました。昨晩など「キャロル」のベッドシーンを観ながらしきりに鼻をすすったのでした。それでやり過ごせたからよかったけれど、涙のこぼれてくる前に堰き止められないときは、もうどうしようもありま…

半永訣の朝

やはり院には行かず大学を出ようと思い立った今朝五時、私は就職活動をすることに決めました。そうしてなにか重苦しいこころもちになって、講義を休みました。二度寝ののち、「忙しくなる。私が不当に当たり散らすことがあれば叱ってほしい」という横暴きわ…

優しい人

「優しい」と「冷たい」とを同量ずつ浴びて育ったためか、「優しいね」を受け取ってはもてあます癖が長いこと抜けませんでした。ひとことで人格が決定づけられるとか、みんなには見えていないほんとうの自分があるとかいった思い込みがとけたのは、おそらく…

数字禍

心当たりのあるあらゆる文字列を打ち込めど、いっこうにログインできないページがあり、やけっぱちになって壇蜜の公称スリーサイズを入力したところあっさり開けました。私はなにを思ってパスワードを設定したのでしょうか。 頻繁に見るものだからいつしか覚…