ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

好きだから

「前の会社で、文章のお仕事とかしてたんですか?」と、企画担当者が私にたずねた。手渡された箇条書きのメモをもとに、ブランドサイトに掲載する文章を練り上げているときのことだった。いえ、お客さん宛のメールを手直しされてばかりでした、と答えると、…

国に納めてください

会社を休む。なぜここで働くのかわからなくなるできごとが、またも降りかかった。欠勤という蠱惑的な選択肢は絶えず脳裏を遊泳しているものだ。今朝は、それをあえて振り払う動機が見当たらず、甘んじて手にかかった。なんとも快い。職場まで足を引きずるよ…

日記の才

ブログやTwitterをつづけることができるのは一種の才能だ。なにかしらテーマを設定しているならまだしも、たんなる日記やつぶやきをひたすらインターネットの濁流に放すという行為は、意義を見出さない人からすれば狂気の沙汰ではないか。もっとも、趣味とい…

人間観察

「人間観察が趣味」と話す美容師の施術を受けた妹が、その発言に「ドン引きした」といったような内容のメッセージを送ってきた日、私は奇妙な安堵を覚えた。ああ、人間観察は歓迎される趣味じゃないんだな。そう感じるのは私だけじゃないんだな。 妹が「人間…

母の教え

母と昼食をとった。店は私が選んだ。幼稚園児のころ、平日の昼間に何度も訪れたイタリア料理店。通院の帰りに立ち寄って、焼きたてのピザをほおばった記憶がある。病弱だった私に、母はいつもご褒美を用意してくれたのだ。「よくここでおさぼりをしたね」と…