ひらログ

おひまつぶしにどうぞ。

猫の気持ち

ロレーンとデルフィーヌを実家に迎えて九ヶ月経つ。私は猫を知り、猫がわからなくなった──すなわち、二匹を知ったのと引き換えに、猫という普通名詞がまとっていた印象を喪失した。かつて私は猫をどのように見ていただろうか? 気まぐれ、冷淡、神秘的? 思…

ハロウィンの記憶

カフェの店員の頭部から赤い角が生えている。猫らしきものの耳や、レースの装飾もある。それで、きょうはハロウィンであったと知る。関心をもたないものにとっては、すれ違う他人たちに教わるまで思い出さないほどの些事である。行事に不参加の自由が保障さ…

笑いに知性を

「ひらちゃん、足立区ほろぼすってよ」──私は思わずそうつぶやいていた。これは東京都足立区議会の白石議員がセクシャルマイノリティを差別する発言をしたとの報道を受けてのことだ。当然ながら、私は足立区や足立区民に悪感情を抱いているのではない。「こ…

溺愛の受け皿

家の人のプライマリな関心の対象が実子から二匹の猫に移行したことによって、私をとりまく親子関係はいくぶん良好になった。家の人は、私をなるべくそばに置いておこうとしたり、私の悲しみを私のごとく悲しんだり、私の壊滅的な社会生活のセンスを目の当た…

化粧をめぐる杞憂

毎朝の化粧に五分もかけない。なるべく寝ていたいから。水で顔を洗い、日焼け止めを塗り、眉のあたりにだけベビーパウダーをはたいて、眉毛を描く。マスクを着用せずに外を歩けたころは、唇を静脈血みたいな赤色に塗るのが好きだった。あとは、気が向いたと…